往来写簡

あなたの自由を見つける移動写真館『写真箱』を開催しております。 日々笑って暮らせる、そんな写真を撮っています。

明日。

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そもそも写真箱をやろうと思った理由。

会場となるカフェのオーナーであり友人の修平さんからの一言がきっかけ。

『うちで個展とかやらないかなぁ?』

 

彼の経営するCAFE LABORATORYは、

私の住む東北のやたらと雪の多い人口8万人くらいの田舎町の

地方の町がだいたいそうであるような

寂れたシャッター街の端っこにあります。

もちろんこのカフェが出来るまでは、

田舎のシャッター街を歩いている人なんて誰もいなかった。

 

その人気の無い田舎のシャッター街の端っこにある

築70年くらいの二階建ての古いけどモダンな建物。

遠い子供の頃の記憶では、そこは洋服屋さんだったかもしれない。

彼はその風化しそうな建物を改装してカフェにしました。

 

階段を登ると、広めの踊り場があって面白い本が並んでる。

左へ行くと、とても綺麗な光の差し込む広いカフェスペースがあって、

古くてカッコいいテーブルやイスが並んでて、

コーヒーとスイーツの甘い香りがして、

いつも心地いい音楽が流れてる。 

私はカウンターに座って美味しいコーヒーを飲みながら

修平さんの面白い話を聞くのが好き。

 

このカフェで彼の話を聞くのが好きって人は私だけじゃなくて、

わざわざ遠くから何時間も掛けてやって来る人もいる。

東京からも経営者だったり起業家だったりアーティストだったり。

 

もちろん彼の淹れるコーヒーはとっても美味しいし、

田舎にこんなカッコいいカフェは、他にない。

でもそれだけなら、もっと都会に行けばいろいろあるだろうし、

わざわざ遠くから人は来ない。

 

なぜこのカフェに人が集まるのか。

 

それは、

 一杯のコーヒーの先にあるもの、

このカフェの先にあるものを

いつもイメージさせてくれるから。

 

 

 

だから私も写真の先にあるものをイメージする。

 

 

 

例えば、私が今まで撮りためた作品を展示して

みなさん見にきてくださいと言ったなら、

これまでの私を知っている人達は見にきてくれるし、

きっと喜んでくれると思います。

それが一般的なスタイルだし。

でも、写真の先にあるものをみんながイメージするのは難しいと思う。 

たぶん極々一部の人にしかわからない。

だって写真を体感したこともないし、

体感するほどの関心もきっかけもないから。

 

 

それなのに、みなさん見にきて下さいっては言えない。

 

 

私は、撮る人も、撮られる人も、見る人も、

楽しいと思える空間を作りたい。

  

 

音楽が好きでよくライブに足を運びます。

良いライブはホントに良い。

高揚感と感動とでワーーーーーとなる感じ。

それってまさに、

演ってる人も観てる人も本気で楽しいから生まれる一体感。

そのワーーーーーを写真で体感できないものか。

 

そして、頭の中に出て来たのが写真箱でした。

 

写真を職業とされてる方から見れば、

バカじゃねーのかって話です。

もっと商業的な写真を撮らないと仕事にならないとか。

 

うん、ごもっともだけど、そこじゃない。

そういう写真は私じゃなくても撮れる方はたくさんいる。

今の時代、上手で綺麗な写真なんて誰でも撮れる。

でももう誰も見ない。

 

だから、

バカかもしれないけど、 

ワーーーーーー、大事。

 

 

写真箱に来てくれる人が増えれば、

よりステキに撮りたいからオシャレな人が増えて、

オシャレすれば街を歩きたくなるし、

街を歩く人が増えればお店も増える。

 

写真箱に来てくれる人が増えれば、

自分も撮りたいという人も増えて、

カメラを持って歩く人が増えるし、

写真を撮る人が増えれば街並もキレイになって

フォトジェニックな人も増える。

 

写真箱に来てくれる人が増えれば、

写真だけじゃなくて他のアートにも興味が出て、

ギャラリーや美術館なんかもできて、 

そしたら自己表現する人達も増えて、

アーティスティックな街になり、

ここからすんごい芸術家が生まれるかもしれない。

 

 

ワーーーーーーな写真の先にあるものは果てしないのです。 

でもあながち夢物語じゃないよ。

 

だってもう始まってるし。