往来写簡

あなたの自由を見つける移動写真館『写真箱』を開催しております。 日々笑って暮らせる、そんな写真を撮っています。

米沢の伝統野菜 雪菜収穫の撮影です。

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さらっさらのパウダースノーがしんしんと積もる米沢です。

街はまるごとホワイトアウト

吹雪が酷くて前が見えないんじゃなくて、

降る雪の量が多すぎて前が見えない。

そんな真っ白な世界で、

米沢の伝統野菜 雪菜収穫の撮影です。

 

米沢市古志田地区。

なでら山沿いに遠山、古志田、笹野に抜ける道は

大好きなロケーション。

街道を挟んで、片方はなでら山。

もう片方は、市内を見下ろすナイスビュー♪

あ、今日は雪で何も見えないけど!

でも、ここはいつ来ても気持ちがいい。

街中は降りしきる雪でホワイトアウトしてたけど、

古志田に着いたら不思議と雪が晴れて来た!

 

さて、雪菜とは?

 

各地にある雪菜は、秋に収穫して直ぐ食べます。

米沢の雪菜は秋に収穫したものを束ねて藁と土で囲い、雪室を作ります。

雪が降り積もり周囲がすっぽりと覆われ、

雪室の中の気温と湿度が一定になると、

「とう」(花茎)を伸ばします。

その雪菜を雪から掘り出して収穫します。

雪国で冬のさなかに新鮮な青物をとる先人の叡智。

 

でも、雪菜はほかの品種と混ざりやすく、

純系統の種子を確保することが難しい野菜です。

そのため、生産者自らが自家採取しながら多品種の混合を防ぎ、

代々種を守っています。

 

雪菜は生でも食べれるのですが、

ふすべて食べるのがスタンダード。

“ふすべる”は米沢の方言で“湯通しする”こと。

湯通しすることで雪菜から独特の辛み成分が出てきます。

この湯通しした雪菜を塩漬けにしたものが、ふすべ漬けです。

ワサビともカラシとも違う、独特の辛味とほのかな甘み、

シャキシャキとした食感があります。

米沢の郷土料理の冷や汁も、

この雪菜独特の辛味と食感があるからこそ美味しいのです。

 

 撮影しながらお話ししてたら、

生産者の方が、

「この辛味は古志田の雪菜じゃないと出ないんだ」

と、おっしゃった。

 

思わず、

それ最高!と言ってしまったw

 

不思議なことに、

古志田地区の雪菜でないと、

同じように作っても、

この独特の辛味は、うまく出ないのだそう。

まさに、

ここで守られた種とこの土地の風土でしか成立しないもの。

 

素晴らしい。

 

それを守ることの尊さたるや。

 

そして撮影が終わった後で、

お茶をいただきながらお話ししたこと。

今ここにある農のリアル。

 

やはり、

新しい世代にヒーローやスターは必要。

圧倒的に引き上げる強い存在が世界を変える。